日刊スポーツ2月1日

車いすを贈ろう「リングプル再生ネットワーク」

協力し合う素晴らしさ体験

〜リサイクル・収集活動〜
 わずか0.5cから善意の輪が広がっている。江別市の野幌商店街の若手商店主でつくる「リングプル再生ネットワーク」(プルネット)では、全国の学校や福祉団体などからアルミ缶のリングプルを集め、車いすと交感する運動に取り組んでいる。衣料品店経営する高橋俊夫代表(44)は「手短で簡単なボランティア。自然な形で広がっていけば」と話している。
 商店主らを含む野幌青年部八考会のメンバーが、地元小学生から「車いすを贈ろう」と、リングプル集めがはやっているのを耳にしたのは1995年(平7)。当時は車いすに交換する団体は確認できなかった。「うわさ話で終わったらかわいそうだ」と独自回収を決め、同年11月、現在のプルネットの母体となった「愛のリングプル実行委員会」が発足した。
 昨年2月、実際に同じ取り組みを行っていた静岡の団体が活動を休止した。全国から同実行委に受け入れ要請が相次いだが、断るしかなかった。「大量で保管場所がない。輸送問題もネックだった」と高橋代表は振り返る。そこで大手運送会社の佐川急便に協力を依頼、2ヶ月後の4月に全国で運動展開するめどがつき、20人で立ち上げた。
 車いすは4タイプから選択できる仕組みになっている。自走式、介護式の2種類でそれぞれ一般と軽量タイプがある。必要リングプルは一般で690`c、軽量で900`c。1個0.5cだから、一般の場合は138万個、軽量で180万個必要になる。実行委時代は10台、プルネットになってからもすでに4台の車いすに生まれ変わった。
 プルネットには現在、秋田から福岡までの道外21団体を含む380団体が登録。これまでのトップは鷹栖町社会福祉協議会で約1800`c集めた。同会の膳法(ぜんぽう)弘行事務局長(47)は「大上段に構えてやるのでなく、小さなことからやれるボランティアはたくさんある」という。町内では95年から学校や公民館、商工会議所などに収集ボックスを配置し、町を挙げて取り組んできた。
 「リサイクルという考えは2割。8割はなるべく学校で取り組んでもらい子どもたちが協力し合うことの素晴らしさを体験してほしい」(高橋代表)。学校単位の登録は年々増加し現在200団体に上る。事務局の1人、堀内順子さん(39)は「町内で市民がリングプルを集めている姿を見ると関心させられる」と目を細める。1人1日3〜4個集めても車いす到達まで約1000年かかるといわれるが、1000人の善意が集まれば1年で済む。


日刊スポーツ 北海道版 2001年(平成13年)2月1日 木曜日