リサイクルデザイン展覧会〜甦る廃棄物〜 開催!
捨てられ、忘れ去られようとしているモノたち−。人類はこれまで大量消費社会をつくり出し、限られた地球資源を使い捨ててきました。これからの地球規模、あるいは地域の環境を考えるとき、モノを大切にし、またその心をはぐくみ育てることは、とても重要なことだと思います。今回行う展覧会は、そのようなモノたちを、個々が持つ記憶や歴史を大切にしながら、デザインやアートの力で蘇らせよう、そんな思いを込めて企画しました。展示は二つの展覧会によって構成されています。「記憶のデザイン展」は資源の有効利用をテーマにした国際デザイン・リソース・アワードの受賞作品から選りすぐった約100点で構成するものです。また、同時に開催する「GOMI達のメッセージ展」は、松本純一&ゴミ造形団によるゴミを素材としたアート作品を、リサイクル運動に熱心に取り組んでいる江別市野幌商店街を舞台に制作・展示します。 地球環境と調和する素材やデザインの可能性を探り、これからのモノづくり、まちづくりに新しい視点を投げかけるとともに、蘇ったモノたちからのメッセージを感じてもらえれば、と思っています。会場では、地場産業と協力しながらエコ製品の開発に向けた展示や、来場者とともにつくるアートワークショップなども行います。 「記憶のデザイン展」実行委員会 |
●国際デザイン・リソース・アワード |
1994年に創設された、資源を有効活用するための優れたデザイン提案に対して賞を与える国際コンペティションです。毎年世界各国から多くの応募があり、主催者であるデザイン・リソース・インスティテュートは米国シアトルの展示場において約300点を超える受賞作品を公開しています。作品の多くはプラスチックやガラス、木製品、紙、セルロース、繊維製品、ゴムなどのリサイクル素材や、再生可能な天然素材を用い、あるいは製品の部品をそのまま再利用しながら、デザインによって新しい価値を与えています。こうした素材は再生される以前の製品の記憶を留めていることによって、バージン素材にはない深い味わいを持っており、使い捨てになれた現代の目には新鮮で、これからのもの作りに大きな示唆を与えてくれます。 |
●松本純一&ゴミ造形団 |
【松本純一】 1952年札幌市生まれ。北海道教育大学美術学科を卒業し、LDヤマギワで照明デザインを手がけた後独立。工房マツモトを主宰し、全国各地の多様な造形物の設計施工を営みながら、造形作家としても活動しています。1996年にゴミ造形団を結成し、「ゴミと親しむ」をモットーにゴミを素材としたユニークなアート制作を展開しています。 【ゴミ造形団】 空き缶や壊れた機械、伐採された木の枝、紙くずなどあらゆる物を材料にアート作品を制作するグループです。道新主催のイベント「さっぱら」への参加を皮切りに、赤井川の「トドロキ28号」などユーモアあふれる作品を制作したり、展示会を開催してきた。メンバーはデザイナーの他に学生や会社員など約20人。アートを真剣にやりたい人、環境問題やまちづくりに興味のある人等幅広い人が参加しています。捨てられるもの、古いものに今一度目を向け、「みんなでモノをつくる楽しさ」を通じて環境問題の大切さを考える、そんな活動を目指しています。 |